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夏越しの祓と「鋼と羊の森」

 

今日で今年も半分過ぎました。

つい先日、ほんの数時間でしたが三島に立ち寄ることがあり、

以前から行ってみたかった三島大社へ行くことができました。

夏越しの祓のための茅の輪が備えてあったので、私もくぐらせていただきました。

 

 

 

境内の緑を観ながら、浮かんできたのは「鋼と羊の森」の冒頭の森のシーン。

 

 

この後読んで以来、大切なものになっていた小説が、映画化されるというので観ました。

主人公の不器用だけれどとてもひたむきな調律師の青年役を

とても繊細に山崎賢人君が演じていました。

そして、の作品のテーマにもなっている森のように

静かで奥深いピアノ調律師の役は、三浦友和さん。

私が心に描いていた板倉さんとあまりに似ていて驚きました。

「才能っていうのは、きっと好きだって気持ちなんじゃないですか?」

何度も繰り返し読んだこの言葉が耳に届き、心が震えました。

 

そして私自身、忘れることができないのは、おばあちゃんのお葬式のシーン。

ちょうどこれを観た時は、実家の母が乳癌の検査待ちの状態だったので、

母の顔が浮かび、激しく動揺をおぼえました。

幸い初期の段階だということがわかったので、今は冷静にその時のことも振り返れますが、

しばらくはワルトシュタインを聴くとこの時のなんとも言えない苦しい気持ちを

思い出してしまいそうです。

幾重にも木々が重なりゆく森のように次から次へと悲しみや後悔の念が襲うあの感じ。

ラストの辻井君の作曲したというピアノ曲にようやく癒されたなと感じました。

 

母の手術は7月の父の誕生日と決まりました。

その日は父のそばにいたいと思います。

ずっと病院への送り迎えをしながら、近くで母たちを見守ってくれている妹に心から感謝です。

しばらく鹿児島と東京の往復になるため、

急な予定変更にも温かいお言葉をかけてくださる生徒様とご父兄の方々、友人たち、

快く送り出してくれる夫と息子、本当にありがとうございます。

 

今年後半が、みなさまにとって明るい毎日となりますように。