先日、プルーストのことを書いたのですが、今日は彼と親交が深かったレオナルド・アーンのお話。
ふたりは、恋人という関係を解消してからも親友として生涯を共に過ごしたそうです。
(ちなみにどちらも男性。
しかも写真で見る限り、とてもよく顔も雰囲気も似ているふたりです。)
3、4年前だったと思うけれど銀座王子ホールでのアンヌ・ケフェレックのリサイタルで
初めてアーンのピアノ曲を聴きました。
小曲だったけれど香り立つフランスの世界が目の前に広がるのは、
大好きな歌曲たちと同じ。
先日、そのレイナルド・アーンの「当惑したナイチンゲール」
第2集オリエント、第3集「旅行記」、第4集「ヴェルサイユ」の全曲を
一気に聴けるというリサイタルへうかがいました。
会場は、馬車道サロンホール。
美しいスタインウェイが数台、お出迎え。
ピアニストの平井千絵さんのピアノは、とても繊細で気品高く素晴らしかったです。
フォルテピアノのピアニストとして活躍なさっているとお伺いしていましたが、
現代ピアノでも丁寧に楽器に向き合っている姿勢が、そこはかとなく音に表れていて、
特にアーンがこだわっているピアニッシモの美しさには、感動しました。
「当惑したナイチンゲール」とは、表題から詩的で魅力的なのですが、
小さな町の安らかな風景からやがて大きく旅立つ。。というように
とてもファンタジックな音の世界が繰り広げられるのですが、
一貫してフランス音楽らしいつつましやな気品を感じます。
私もアーンのピアノ曲、弾いてみたくなりました。
終了後の懇談会では、やはりプルーストの小説の話があがっていました。
主宰者の方に「失われた時を求めて」のコミック版があると聞きました。
早速、帰りの電車でぽちっと♪
楽しみです。