最後に今回、スペシャルゲストとしてご出演いただいた三宮麻由子さんについて記しておきたいと思います。
幕間のプログラム曲「ゼツメツキグシュ」の楽譜が届いて、ヤンバルクイナのページを開いてすぐにこの曲は三宮麻由子さんに弾いていただきたいなと思いました。
三宮麻由子さんは、幼い頃に視覚を失いながらも上智大学仏文科を主席で卒業し、現在も外資系通信会社に勤務しながら、エッセイスト、また絵本作家としてもご活躍中です。
代表作に鳥が教えてくれた空 (集英社文庫)という作品があるのですが、この作品の中では、鳥、そして自然と語らう様子が綴られています。2000年にはNHK日曜スペャル 「あなたは鳥と話せますか~盲目エッセイストの世界」で特集されました。
そして、彼女はピアノ、作曲もなさるんです。以前、彼女のステージを拝見した時にすっかり魅力され、私の主催したコンサートにもゲスト出演していただきました。
彼女の声で語る鳥たちのこと、そしてヴィンセント・フィオリノ作曲のポピュラーソング「青いカナリア」(日本では雪村いづみさんが歌って流行したそう)を麻由子さんがピアノ曲として編曲した「青いカナリア変奏曲」、これが本当に素晴らしくて。この度も是非にとリクエストいたしました。
プログラム曲『ゼツメツキグシュノオト』の「リュウキュウアカショウビン」「ヤンバルクイナ」を点字用楽譜に起こしていただいたのは、楽譜点訳の会ポコの山本さゆりさん。ボランティアでこのような活動をなさってらっしゃる方がいらっしゃるとのこと、本当にありがとうございました。
ステージでは、点字楽譜からどのように音を作っていくかを実践しながらお話くださったのですが、これは子どもたちにとって本当に貴重な体験になったと思います。
麻由子さんのユーモラス、心温まるトークと演奏にその場のみなが魅了されていました。
≪三宮麻由子さん作品≫